介護保険申請の手続きをわかりやすく解説
介護が必要になったと感じたら、介護保険の申請を検討する方も多いでしょう。しかし、「いつ申請すればいいのか」「手続きは複雑そう」といった疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
この記事では、介護保険の申請のタイミングや、具体的な手続きの流れをわかりやすく解説します。
申請に必要な書類や、申請後の流れについても詳しくご紹介しますので、介護保険の申請を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
介護保険の申請、いつから始めればいいの?
介護が必要だと感じ始めたら、早めの申請がおすすめです。なぜなら、
- サービス利用開始までの期間が短縮される: 認定調査やケアプラン作成の手続きには時間がかかるため、早めに申請することで、必要な介護サービスをより早く利用開始することができます。認定の際、担当医など関連先から情報を集め、会議が開かれ決定が降りるので申請からサービス利用開始までの期間を確認しておきましょう。
- 状態が悪化する前に準備ができる: 介護が必要な状態が進行する前に、介護サービスの内容や利用方法などを事前に知っておくことで、安心して生活を送ることができます。
- 介護サービスの選択肢が広がる: 早期に申請することで、様々な介護サービスの中から、ご自身の状況や希望に合ったサービスを選ぶことができます。
申請からサービス利用開始までの流れ
介護保険サービスを利用したいけど、一体どこから始めればいいの?そんな疑問をお持ちのあなたへ。申請からサービス利用開始までの流れは、大まかに以下のようになります。
- 申請の準備: 必要な書類を揃える
- 申請書の提出: 市区町村の窓口に申請書を提出
- 認定調査: 訪問調査の実施
- ケアプランの作成: ケアマネジャーがケアプランを作成
- サービス利用開始: ケアプランに基づいたサービスを利用開始
申請に必要な書類
申請に必要な書類は、市区町村によって多少異なる場合があります。一般的に必要な書類としては、以下のものが挙げられます。
- 申請書: 住んでいる市区町村の窓口で配布されている申請書に必要事項を記入します。
- 介護保険被保険者証: 65歳以上の方は、介護保険被保険者証が必要です。
- 本人確認書類: 運転免許証、パスポートなど
- 医療機関からの意見書: かかりつけ医に意見書の作成を依頼します。
- 印鑑: 認印や実印が必要な場合があります。
その他、市区町村によっては、以下の書類が必要になる場合があります。
- 所得証明書: 年金証書など
- 障害者手帳のコピー: 障害者手帳をお持ちの方は、コピーを提出する場合があります。
認定調査について
認定調査では、訪問調査員が自宅を訪問し、以下の項目について評価します。
- 身体機能: 移動能力、食事、排泄など
- 認知機能: 記憶力、判断力、理解力など
- 日常生活動作: 食事、着替え、排泄など
認定調査員との面談の際に介護者が今困っている現状を話しましょう。
調査結果と主治医の意見書などを総合的な判断が行われます。
調査の結果、要介護度が1~7までのいずれかに認定されます。要介護度が高いほど、より多くの介護サービスを利用することができます。
なお、認定調査の結果、介護度が低い方を支援するものとして「要支援」という基準になることもあります。
ケアマネジャーの介入
要介護認定の結果、要介護度が認定されると、ケアマネジャー(介護支援専門員)が割り当てられます。ケアマネジャーは、利用者(介護される方)や家族と面談し、生活状況や希望などを聞き取ります。面談の際には現状や困っていること、今後の介護に関する悩みなど、できるだけ詳細に話しましょう。
いろいろなことを知っているケアマネージャーにあたると知らなかったサービスを教えてくれたり、ディサービスなどにこうしてほしいなどの希望を伝えてくれたりします。
ケアプランの作成について
ケアプランは、介護が必要な方の状態や希望に合わせて、どのようなサービスをいつ、どれくらいの時間受けるかなどを計画したものです。ケアマネジャーが、利用者や家族と相談しながら作成します。
ケアプランには、以下の内容が記載されます。
- 利用者の状況: 身体機能、認知機能、生活環境など
- サービスの種類と内容: 訪問介護、通所介護など、どのようなサービスを利用するか
- サービスの提供時間: 1回のサービス時間や、週に何回サービスを受けるか
- サービス提供事業所: どこの事業所でサービスを受けるか
介護保険を利用することで、以下のサービスを受けることができます。
- 訪問介護: 家事、身体介護、生活援助など、日常生活の支援
- 通所介護: デイサービスなど、日中の介護サービス
- ショートステイ: 短期入所サービス
- 訪問看護: 看護師による訪問看護サービス
- 居宅療養支援: 医師や看護師、薬剤師などが連携して、自宅での療養を支援
- 福祉用具貸与: 車椅子、歩行器などの福祉用具の貸与
介護度により支援を受けられる金額や時間数などが異なるため、家族でできることとサービスを利用する内容などを割り振るイメージです。
申請に関する注意点
介護保険の申請は、原則として無料で行えます。ただし、申請に必要な書類のコピー代など、わずかな費用がかかる場合もあります。申請にかかる費用について、心配な場合は、お住まいの市区町村の介護保険窓口へお問い合わせください。
- 申請は無料: 介護保険の申請は無料で行えます。
- 手続き期間: 認定調査やケアプランの作成には時間がかかる場合があります。
- 変更手続き: 状況が変化した場合には、速やかに変更手続きを行う必要があります。
介護保険の申請は早めが大切
介護保険の申請は、早ければ早いほど、必要な介護サービスをスムーズに利用することができます。もし、介護が必要だと感じたら、まずはお住まいの市区町村の窓口にご相談ください。
【参考リンク】
- サービス利用までの流れ 介護保険の解説(厚生労働省)
https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/commentary/flow.html - 介護支援専門員(ケアマネジャー) (厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000114687.pdf - 介護保険で利用できるサービス (埼玉県)
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0609/shikumi/seido03.html