介護を終えて、これからどうする?
長年の介護を終え、ようやく自分自身と向き合うことができるようになった今、心のモヤモヤを晴らしたい、これからの生き方を模索したい、色々なことに追われていた生活から、ぽっかりと心に空間を感じている方も多いのではないでしょうか。
このページでは、介護を終えた方に向けて、これからの自分自身の生き方や、喪失感など心のケアについてご紹介します。介護の経験を生かし、新たな一歩を踏み出すためのヒントになれば幸いです。
介護の章を閉じ、新たな章へ
長年の介護は、心身ともに大きな負担をかけてきたことでしょう。ようやく介護の役割から解放され、自分自身と向き合う時間ができた今、どのような気持ちでいるでしょうか。安堵感、達成感、喪失感、寂しさ、様々な感情が渦巻いているかもしれません。
自分の親にはつい強めに言ってしまうところでも、よその高齢者には優しい言葉をかけられたり、介護されている方の気持ちがわかったりもします。貴重な経験を生かして次に進みましょう。
介護後の心と体の変化
- 心: 喪失感、孤独感、疲労感、抑うつ状態など。
- 体: 体力低下、睡眠障害、食欲不振など。
グリーフケア
介護の経験は、大きな喪失感をもたらすことがあります。グリーフケアとは、大切な人を亡くしたり、大きな喪失を経験したりした人が抱える悲しみや苦しみを和らげ、健やかに回復していくためのケアのことです。単に「悲しみを乗り越える」ということだけでなく、喪失感を伴う様々な感情を受け止め、自分自身と向き合い、新たな生活へと進んでいくためのサポートを指します。
- 自分の感情を受け入れる: 悲しみ、怒り、後悔など、様々な感情が出てくることを受け入れましょう。
- 誰かに話す: 家族、友人、専門家など、信頼できる人に気持ちを打ち明けましょう。
- 新しいことを始める: 趣味やボランティアなど、新しいことに挑戦することで、気持ちの切り替えを図りましょう。
- 専門家のサポートを受ける: 心理療法士など、専門家のサポートを受けることも有効です。
介護の経験を活かす
長年の介護経験は、あなたを大きく成長させたはずです。その経験は普段の生活の中でも活かせます。ご高齢の方を見ると勝手に体が動き、温かく手を差し伸べることができるようになっています。親を介護していた時はできはなかったことなどが自然とできるようになっています。
- ボランティア活動: 介護の経験を活かして、ボランティア活動に参加する。
- 介護の仕事: 介護の専門性を活かして、介護の仕事に就く。
- 介護に関する活動: 介護に関する勉強会に参加したり、介護に関する記事を書いたりする。
- 介護している人の手助け:今介護している人の話を聞き、共感することにより励まされることになります。
今後の生活設計を考える
介護を終えた後、どのように過ごしたいのか、具体的な目標を設定してみましょう。ご自分の生活があります。ご自分の人生があります。今まで使えなかった自分の時間を有意義に使いましょう。
- 健康管理: 定期的な健康診断を受け、バランスの取れた食事を心がけ、適度な運動をする。
- 人間関係: 家族や友人との関係を深めたり、新しい人との出会いを大切にする。
- 趣味: 趣味を楽しむ時間を増やし、充実した日々を送る。
- 学び: 新しいことを学び、自己成長を続ける。
- 自分の終活:親を看ていて感じたことを自分の子供に繰り返さないために準備を始める。
介護のあと、新しい一歩を
介護を終えた後も、人生は続きます。これまでの経験を糧に、新たな一歩を踏み出しましょう。介護をしてきた経験は、必ず何かの役に立つことがあります。困難な時もあるかもしれませんが、一人で抱え込まずに、周りの人に頼ったり、話し合ったりして一つ一つ解決していき、介護の経験を活かして、頑張りましょう。自分の最期はこうしたいと今から考え始めることもいいですね。