介護の最期をどのように迎える?
親の介護は、誰もが避けて通れない道。
特に、終末期を迎えた親の看取りは、家族にとって大きな決断を迫られます。
自宅で看取りたい、でも家族の負担が心配…。施設に任せたいけど、親は寂しくないだろうか…。そんな悩みを抱えている方がいるのではないでしょうか?
この記事が、あなたにとって最善の選択をするヒントになればと思います。
自宅で行える看取り介護
看取り介護とは、身近に迫った「死」を避けられない状態にある人に対しての介護のことです。
肉体や精神の苦痛を緩和させつつ、人としての尊厳を残したままの生活支援を目的としています。
穏やかに最期を迎えられるよう、心身両面のケアを行うことです。
主な役割:
- 日常生活の支援:食事、排泄、清潔など、日常生活に必要なケアを行います。
- 身体的ケア:床ずれ予防、体位変換など、身体の不快感を軽減するケアを行います。
- 心理的ケア:家族や本人の心のケア、精神的な安定を図るための支援を行います。
特徴:
- 積極的な医療行為は行いません。
- 本人の尊厳を尊重し、その人らしい最期を迎えられるよう、寄り添い、サポートします。
- 家族のサポートも重要な役割です。
緩和ケアと看取り介護の違い
どちらも大切なケアであり、どちらか一方を選ぶというものではありません。患者さんの状態やご家族の希望に合わせて、適切なケアを選択することが重要です。
緩和ケアは、病気と闘いながらできる限り自分らしい日々を送れるように、寄り添い、サポートするケアです。
看取り介護は、人生の最終章を、穏やかに、そして安心して過ごせるように、寄り添い、サポートするケアです。
緩和ケア
- 目的: 病気の進行に伴う様々な症状(痛み、息苦しさ、倦怠感など)を緩和し、生活の質(QOL)を高めること。
- 対象: 癌だけでなく、様々な難病を持つ患者様。
- 時期: 病気の診断後、早い段階から開始することが可能。
- ケアの内容: 痛みや症状の緩和、心のケア、家族への支援など。
看取り介護
- 目的: 亡くなることが見込まれる方に対して、その方の尊厳を保ち、穏やかに最期を迎えられるよう、心身両面のケアを行うこと。
- 対象: 亡くなることが近いと判断された患者様。
- 時期: 終末期
- ケアの内容: 身体的ケア(食事、排泄、清潔など)、精神的なケア、家族への支援など。
自宅・病院・施設 メリットとデメリット
看取りの場所選びは、ご本人やご家族にとって非常に大きな決断となります。
それぞれにメリット・デメリットがあり、状況やご希望によって最適な場所は異なります。必ずしも希望通りになるとは限らないのが最大のデメリットです。
自宅での看取り
- メリット:
慣れた環境で、家族に見守られながら穏やかに過ごせる。
ご本人の希望に沿える可能性が高い。
比較的費用を抑えられる。 - デメリット:
家族の負担が大きい。 - 専門的な医療ケアが必要な場合、対応が難しい場合がある。
住環境を整える必要がある。
病院での看取り
- メリット:
24時間体制で専門的な医療ケアを受けられる。
急変時にも対応できる。 - デメリット:
病院特有の環境で、ご本人がストレスを感じる可能性がある。
家族との時間が限られる。家族が立ち会えるとは限らない。
費用が高額になる場合がある。
施設での看取り
- メリット:
専門スタッフが24時間体制でケアしてくれる。
同年代の人との交流がある。一緒に過ごした仲間もいる。
家族の負担を軽減できる。 - デメリット
環境の変化によるストレス。
家族との時間が限られる。家族が立ち会えるとは限らない。
医療費が高額になる可能性。
施設によってサービス内容が異なる。
最期をどこで迎えるか
ご本人の状態、病状、残された時間をご本人がどこで過ごしたいのか尊重することが何より大切です。どこであっても、ご家族が最期を見送れることがお互いにベストな場所となることでしょう。
【参考リンク】