訪問介護ってなに?
訪問介護サービスとは、介護が必要な人が自宅で安心して暮らせるよう、専門のヘルパーが自宅を訪問して、食事や入浴、掃除などのサポートを行うサービスです。
この記事では、訪問介護の利用の流れやメリット・デメリットについて解説します。
介護サービスの種類
介護サービス・施設には、大きく分けて以下の種類があります。
- 訪問介護: 介護職員が利用者の自宅を訪問し、身体介護や生活援助を行います。
- 通所介護(デイサービス): 日中の間、施設に通い、食事や入浴、レクリエーションなどのサービスを受けます。
- ショートステイ: 短期入所のことです。病気や家族の旅行など、一時的に施設に入所し、介護サービスを受けます。
- グループホーム: 小規模な共同生活住居で、少人数で共同生活を送ります。
- 特別養護老人ホーム: 要介護度が高く、常時介護が必要な方が入所する施設です。
訪問介護サービスの内容
大きく分けて、以下の2つのサービスがあります。
身体介護
- 食事の介助: 食事の準備や、食べるのを手伝います。
- 入浴介助: 入浴の準備や、身体を洗うのを手伝います。
- 排泄の介助: トイレへの移動や、排泄の介助を行います。
- 着替えの介助: 服の着脱をサポートします。
- 体位変換: 床ずれ防止のため、定期的に体勢を変えます。
生活援助
- 掃除: 部屋の掃除や、床の拭き掃除などを行います。
- 洗濯: 衣類の洗濯、干し、畳みなどを行います。
- 買い物: 食料品や日用品の買い物に同行します。
- 調理: 簡単な食事の調理を行います。
その他のサービス
- 通院の際の移動の介助: 病院や診療所への送迎を行います。
- 外出の際の介助: 外出の準備や、同行します。
【参考サイト】どんなサービスがあるの?(厚生労働省ホームページ)
訪問介護利用の流れ
- 要介護認定: 市区町村の窓口で要介護認定の申請を行います。
- ケアプランの作成: 認定の結果、要介護状態と認められた場合、ケアマネジャーと相談し、ケアプランを作成します。
- 事業所の選定: ケアプランに基づいて、訪問介護事業所を選びます。
訪問介護のメリット
訪問介護は、ご自宅で安心して暮らしたいという方にとって、さまざまなメリットをもたらすサービスです。主なメリットを以下にまとめました。
身体的メリット
- 専門的な介護を受けられる: 介護のプロである介護職員が、身体介護(食事、入浴、排泄など)を適切に行うことで、身体機能の低下を予防したり、痛みを軽減したりすることができます。
- 安全な生活: 転倒や事故のリスクを減らすためのサポートを受けることができます。
- 健康状態の維持: 定期的な身体チェックや健康相談を通して、健康状態を維持することができます。
精神的なメリット
- 孤独感の解消: 介護職員とのコミュニケーションを通じて、孤独感を感じずに生活することができます。
- 心の安定: 安心して日常生活を送れることで、精神的な安定につながります。
- 生きがい: 介護職員との会話や、一緒に外出することで、生活に張り合いが生まれます。
生活の質の向上
- 清潔な環境: 定期的な掃除や洗濯などの生活援助により、清潔な環境を保つことができます。
- 栄養バランスの取れた食事: 栄養士のアドバイスに基づいた食事を提供してもらうことで、健康な体づくりをサポートします。
- 社会とのつながり: 外出の支援や、地域活動への参加のサポートを受けることで、社会とのつながりを維持することができます。
家族の負担軽減
- 介護の負担軽減: 介護の専門家である介護職員に、身体介護や生活援助を任せることで、家族の負担を軽減することができます。
- 精神的な負担軽減: 家族だけで介護を行うことで生じる精神的な負担を軽減することができます。
- 家族の時間の確保: 家族が自分の時間を持つことができ、リフレッシュや家族間のコミュニケーションを深めることができます。
その他のメリット
- 住み慣れた家で安心して暮らせる: 施設に入所することなく、自分の家で生活を続けることができます。
- 必要な時に必要なサービスを受けられる: 利用者の状況に合わせて、柔軟にサービス内容や時間を調整することができます。
- 介護保険の利用で費用を抑えられる: 介護保険を利用することで、サービスの費用の一部を負担してもらえます。
訪問介護のデメリット
訪問介護は、ご自宅で安心して暮らしたいという方にとって、さまざまなメリットをもたらすサービスです。しかし、一方で、費用やサービス内容、プライバシーなど、考慮すべき点もいくつかあります。
- 費用がかかる:
- 介護保険の利用で費用が軽減されますが、自己負担が発生します。
- サービス内容によっては、高額になる場合もあります。
- サービスの提供時間や内容に制限がある
- 訪問介護は、基本的に時間単位でサービスが提供されます。
- 24時間体制のサポートや、全ての家事を代行してもらうことは難しい場合があります。
- プライバシーの侵害を心配する人もいる
- 他人が自宅に来ることに抵抗を感じる方もいらっしゃいます。
- 自宅の状況をすべて見られることに抵抗を感じる方もいらっしゃいます。
- 介護職員との相性問題
- 担当の介護職員との相性があわなかったり、信頼関係が築けない場合、サービスの利用が困難になることがあります。
- ご自宅の環境整備が必要
- 介護が必要な方のために、自宅の環境を整備する必要があります(手すりの設置、段差の解消など)
- 緊急時の対応
- 訪問介護は、緊急時の対応が難しい場合があります。
- 緊急時は、別のサービスを利用する必要がある場合があります。
訪問介護サービスを選ぶ際のポイント
訪問介護サービスの利用を検討される際、複数の事業所の中から、それぞれのサービス内容や費用を比較検討することが大切です。
- 事業所の選び方
- 複数の事業所に見積もりを依頼し、サービス内容や費用を比較検討しましょう。
- 面接の際に、介護職員との相性や、事業所の雰囲気を確認しましょう。
- ケアプランの見直し
- ケアプランは、定期的に見直すことができます。
- サービス内容や利用時間などに不満がある場合は、ケアマネジャーに相談しましょう。
- 他のサービスとの組み合わせ
- 訪問介護と併せて、デイサービスやショートステイなどのサービスを利用することで、より充実した生活を送ることができます。
訪問介護にかかる費用
訪問介護サービスを利用するためには、定められた費用を支払わなければなりません。介護保険が適用されるため全額を支払う必要はありませんが、所得に応じて1割~3割を支払う必要があります。
- 介護保険の利用:
- 要介護度: 要介護度が高いほど、必要なサービス量が増え、費用も高くなります。
- サービス内容: 身体介護(食事、入浴、排泄など)や生活援助(掃除、洗濯など)の頻度や時間によって費用が変動します。
- 利用時間: 利用時間が多いほど、費用も高くなります。
- 地域: 事業所の所在地によって、1単位あたりの単価が異なります。
- 所得: 所得に応じて、自己負担割合が1割、2割、3割と変わります。
- さまざまな費用例:
- 食材費、おむつ代、その他消耗品代などの費用は利用者が負担する。
あなたに合った介護サービスを見つけよう
介護老人ホームや特別養護老人ホームなどがあり、24時間体制で専門のスタッフが介護を行う施設サービスがあります。
一方で、在宅サービスは、訪問介護やデイサービスなどがあり、ご自宅で生活を続けながら必要な介護を受けることができます。
それぞれのサービスには特徴や利用できる人が異なりますので、ご自身の状況や希望に合わせて最適なサービスを選ぶことが大切です。